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ツバメのヒナを保護した話1。~餌や育て方~

これは去年の夏、巣から落下したツバメの雛を保護した時のお話です。

ネットでは、ツバメのヒナの育て方というのはスズメの雛ほど情報がなく…。

死なせてしまってはいけない…と、落ち着いたところで周辺のツバメのヒナを保護してくれる施設を探したり、地域の環境局にも問い合わせました。

ネットの情報もどこまでが本当かわからない情報もあったり、睡眠時間も削って必死にお世話をしましたが…。

野鳥は弱ったりしていても保護しないのが原則ですが、もし私と同じように、ツバメのヒナを保護してしまった方の参考になる事もあるかも…

と思い、良かった事や失敗など体験を書いておきますね。

落ちていたツバメのヒナの状態

それは7月の初め、学校から帰った子供が、「駅の近くでスズメの雛が落ちていた」と。

(スズメだと思ったらしい)

「スズメなら巣立ち雛なんじゃない?」と聞いたら、

「まだ、羽も生えてなくて目も開いてない」と。

巣から落ちた雛なら弱っていて、もう助からないかも…。

子供にヒナの様子を詳しく聞いたら、

「アスファルトの上で元気そうで、動きながら鳴いていた…」

との事。

巣が近くにあれば戻してあげる(また、落とされる事もある)などもできますが、近くに巣も見当たらなかったと。

インコのヒナなら何度か育てたけど、野鳥のヒナなんて育てる自信はない。

その日は夕方から「豪雨」の予報でした。

私はその雛が心配になり、一時保護しようと子供に、

「もういないかもしれないけど、まだ落ちたままなら連れてきて」

と頼みました。

その間に、スズメの雛の餌や育て方をネットで調べ…。

7月の蒸し暑い午後、汗だくで子供が連れ帰った雛を見た時、「なんて小さい…」と思いました。

赤くて裸で孵化したばかりという感じ。

スズメの巣立ち雛を見かけた事がありますが、もっと大きかった記憶もあり…。

こんな小さなヒナは、すぐに死んじゃうんじゃないかと不安にもなりました。

そして、何か違和感を感じました。

「これってスズメ…?なんか羽の形が違わない?」と。

まるでペンギンのお手々のような形。

「ひょっとして、ツバメかも…?」

と、ツバメの雛の画像を見てみたら、やっぱりツバメのよう。

「ツバメの雛は何を食べるの?」

「渡り鳥だし、飛べるようになったら寒くなる前に自然に返さなきゃいけないよね?」

「餌も自分で捕れるように教えなきゃいけないよね?」

「どこかこの子を受け入れてくれる施設がこの地域にないかな」

色々な考えが頭の中に浮かびましたが、

とにかく、まずは命を落とさないために『今何をすればいいのか』調べました。

冷房の効いた部屋ではヒナにとって寒すぎるので、冷房のない部屋でのお世話です。

そして、保温も必須です。

(※ヒナがどんな菌を持っているかわからないので、素手では触れずポリの手袋などした方がいいようです。私はお世話した後は、石鹸でよく手を洗っていました。人間の体温は低いのでヒナを持つ時は餌やりで小屋から出し入れする時のみ)

保護したツバメのヒナに最初にしたこと

ツバメのヒナにまずやる事は…

1.保温

2.水分補給(1度に2滴程度)

3.餌やり(こまめに欲しがるだけ)

4.小屋の中で保温と加湿

いつから落ちていたかもわからないので、まず体温が逃げないように柔らかい布でくるみ、すぐに『水分補給』

少しの蜂蜜を湯冷ましのぬるい水に溶かしてクチバシの横に1滴垂らしてみました。

すると、自分でクチバシを動かして飲んでくれました!

(※たくさん飲ませると下痢になるので、一度に2~3滴まで。

口を開いた時に水を入れると、気道に入って死に至る恐れもあるので閉じている時!)

まずは、2滴程飲ませたら、食べるものも用意しなければ…。

ツバメのヒナの保温

いろいろ準備する間に『保温』をしておく事も大切です。

親鳥の体温が「40度」くらいなので、だいたい38~40度くらいが目安。

難しそうですが、とにかく使い捨てカイロ『電気アンカ』などでヤケドをしないように、温かくしてあげる事が大切です。

『保温用の電球』でもいいかもしれません。

我が家はウズラにこのカバー付きの20Wのを使っていますが、電球をつけるカバーの部分がかなり熱くなります。

これも、ヒナが触れないように、あまり動かないヒナには熱が当たる距離なども気をつけなければいけないですね。(乾燥にも注意)

孵化したばかりのヒナは、餌の時以外はほとんど動きません^^

我が家にあったミニカイロの温度の表記を見てみると「平均56度、最高70度」。

小さめの箱の中にミニサイズのホカロンを布でくるんで入れ、その上に「ティッシュを数枚」クシャッとして軽く広げヒナを乗せて、その上からTシャツの切れ端をかけてあげました。

それでも、カイロが最高温度になる時にはかなり熱いと思うので、時々温度チェックが欠かせません。

また、熱い時には自分でも移動できるように、カイロの横に少しティッシュだけのスペースを作ります。

<注意>

使い捨てカイロは酸素を奪うので、ヒナを「密閉された狭いケース」などに入れないで下さい

ヒナの小屋の中の保湿

我が家はウズラにも使っている大きい水槽があったので、ヒナの小さな箱を入れて、上のフタは通気用に少しずらし、乾燥対策に濡らした布を入れておきました。

濡らした布は、ツバメから離れた場所に、ツバメが落ちない高さのあるプラスチックのケースや、洗った牛乳パックを口を開けたままにしたものに入れておきます。

ヒナは、こんなふうに上を向いて寝てたりもしていました (*^^*)

今すぐツバメのヒナにあげられる餌って…

とにかく、ツバメの親鳥は1日にかなりの回数、虫をとってきてあげているそうです。

一度に食べられる量は小さいうちは少ないので、更にこまめにあげなければいけません。

◆1羽のヒナが1日に食べる虫の量は?

親鳥が1日に1羽に餌を運ぶ回数は100回以上と言われています。

まだ生まれて間もないヒナの場合は、離乳食のような柔らかいものを少しずつ頻繁に、何回も与えなければいけないです。

大きくなれば、トンボやバッタの足を取って、食べやすい大きさに切ってあげられます。

ツバメは肉食なので、インコや文鳥の餌など穀類メインでは栄養不足です。

多くの「タンパク質」をメインとして、「ビタミン」、「カルシウム」などもバランス良くあげる必要があります。

調べたところ、七分のすりえミルワームやドッグフード、カメのエサなどが緊急用に使えます。

食べないと絶命となります。

早朝に餌不足で落鳥する事もあるらしく、私も明るくなる朝4時半に起きてヒナに餌をあげていました。

鶏肉や刺し身を細かくして少しあげたというお話もありましたが、生の鶏肉は少し不安があります。

すりえ

(※すり餌には5分、7分などがあり、肉食のツバメにはタンパク質の割合が高い「7分」を与えます。ウグイス用でもいいそうです。)

ミルワーム

ミルワームは生きたもの。

ヒナなので乾燥タイプは食べられませんし、栄養面でも生きたものがいいでしょう。

まだ生まれたばかりのヒナには、ミルワームの頭を切って、ヘラで中身をしごき出したものをあげました。

(最初は怖くて子供達にやってもらっていました)

一度に何匹か使うのでかなり手間になりますが、生き餌も大切だと思います。

※ヒナが大きくなっても、ミルワームを与える時は頭をつぶしたり、頭を切り落とさないと、ミルワームに胃を噛まれて命を落とす事になるので注意!!

また、売られているミルワームは「栄養強化」してあげるといいそうで、私もやっていました。

(※入っているオガクズでは栄養不足なので、ミルワームに小松菜や人参、キャベツなどの餌をやる事で栄養価がアップ)

近所に釣り具屋さん(ミルワーム)やペットショップ(すりえ、生き餌)などがあればいいんですが、近所になかったためそれらをすぐにAmazonで注文しました。

今見たら、マルカンのミルワームは「生」と書いてありますが、生き餌ではないので注意です。

我が家の場合は・・・

タンパク質面で考えて、家にある「うずらの餌」が魚粉が使われているため、「緊急用の餌」として一つの候補にしました。

また、ドッグフードではなく、キャットフード(シニア)があったので、これも少しだけ砕いてふやかして混ぜてみよう。

(※キャットフードはドッグフードより脂肪分が多いので少しだけ)

そして、少しの「豆乳」と「蜂蜜」を「お湯」に混ぜて、

そこに「ウズラの餌」「砕いたキャットフード」を入れて柔らかくしてみました。

そして、子供が

「赤虫はどうかな?」

というので、飼っている「ヨシノボリ」の餌で「冷凍の赤虫」も、解凍してあげてみました。

右のお皿の赤虫やうずらの餌などに、豆乳、蜂蜜を混ぜたぬるめのお湯をかけて混ぜました。

赤虫多めが食べやすそうでした。

赤虫は滑りもいいので、ヒナは喜んで食べてくれました。

冷凍赤虫

いろいろツバメの餌など調べていたら、ミミズは泥を食べているからダメと書かれていました。

その記事に「赤虫もダメ」と書いてあり焦りましたが、赤虫が本当にダメなのかは色々調べても、明確な理由がわからず…)

我が家で実際には、その記事で心配になり赤虫をやめて「すりえ」に切り替えてから、うまく食べてくれなくなりました(><)

すりえは、ツバメのヒナにとって美味しくないんですね。

なので、赤虫を徐々に減らそうと「ミルワームの中身」と「すりえ」を混ぜて、なんとか美味しく食べてもらおうと頑張りました。

ただ、後になって思うと、我が家にあった冷凍赤虫をあげていても特に問題はなく、孵化したばかりのヒナにとっては食べやすくて成長の材料になったと思います。

(※冷凍のクリーン赤虫の場合)

我が家は送料無料の6枚セットが買ってありました。

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その後、カルシウムとビタミンの補給に、ネクトンMSA を買ってこれも少し赤虫などに混ぜました。

鳥用のミネラルのサプリですが、カルシウムの吸収を助けるビタミンD3も入っているんです。

これをツバメにミルワームなどと与えている方も見かけました。

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餌のあげ方・ポイント

ヒナに食べさせる時には、細めの割り箸の先をヘラのように薄く削って角も取り、口の中に傷がつかないように紙やすりでなめらかにしたものを使いました。

割り箸は最後、洗ったらすぐに水分を拭き取り乾かしておきます。

それでも徐々に汚れてきたら、新しいヘラをまた作って交換です。

<!>餌を口に入れる際には注意が必要です。

ヒナの口の中に餌を入れる位置は、喉の奥の方なんですが…。(ピンクの点の方)

浅い位置に入れると、「気道」をふさいで窒息してしまう恐れがあります。

下の写真、わかりにくいですが舌の付け根のすぐ奥に『気道』があります(青の点辺り)。

なので私は、割り箸のヘラの上側に餌をつけて、喉を突かないように奥の方に入れました。

そうすると自分でクチバシを動かして食べてくれました。

口内の奥まで餌を入れる事で、美味しいものと思って(?)食べようとしてくれるそうです。

一口食べたら、すぐにカクッと寝てしまうので、ゆっくり数回食べたがるだけ食べさせました。

1口しか食べない時には、すぐにまた数分後に鳴きだしてあげたり。

あまり間隔を開けるのは心配なので、日中は10分~15分ごとにあげていました

食べた後は、ぬるま湯で濡らしたティッシュや布で、くちばしの汚れを拭き取ります。

箱を少しゆすったり、親鳥のマネをして高い声で「ピーッ」と言うと、ヒナは「ピーピー」と鳴きながら大きな口を開けてくれます。

餌をあげようと起こす度に、フンをするんですが。

小さいうちのフンは、ゼリーのような透明な袋に包まれていてプルプルしてます♪

親鳥がクチバシで加えてキレイに捨てられるのは、この袋に包まれているからなんですね(^^)

毎日の体重チェック

体重が増えているか心配なので、朝晩に体重チェック。

保護して4日目の体重は4.14gです。(4グラムって…)

↓この0.01gまで測れるデジタルスケールが役に立ちました^^

保護して1週間経過。

毎日少しずつ増えて、7.65g

生後1週間程で、目が少し開き始めました!

体も少し大きくなったけど、まだまだこんなに小さいです。

翼の小さな羽も綺麗に見えますね。

体はまだ少ない産毛状態ですが。

ここまで来るのに、途中、あまり食べなくなったり、餌を欲しがって鳴かなくなったりして、強制給餌もしました。

食欲や元気がない時にも、小屋の温度も高めにしたり、

口を開けてもくれない時には、強制給餌で根気よく食べる回数を増やしました。

そして、だんだん元気が戻ってきたんです。

これくらい小さなヒナがどれくらいの餌が必要なのか?

欲しがるだけと言われても、一口食べたら寝てしまうのでなかなか大変でした。

ツバメを保護した方をネットでいろいろ見ていると、大きくなってきたらトンボやバッタをたくさんあげて放鳥までできたケース、ミルワームとビタミンやカルシウムで育てているケース、ミルワームとカメのエサで育てているケースなどもありました。

ただ、餌をそのようにあげていても、ツバメが巣立ち雛になる前に弱って死んでしまった…というケースも何件か…。

やはり、野鳥のヒナの飼育は難しいですね。

とにかく、食べない時には好きな「赤虫」と「ミルワームの中身」を中心に、「ネクトンMSA」、「鳥用のビタミン液」と「蜂蜜」「豆乳」を少し混ぜて、クチバシの横から口を開いて(柔らかいので傷つけないように注意)強制給餌をして、その時はなんとか体力を取り戻しました。

保護してから9日目。

目が開き始めるとまた、可愛くなってしまう…。

まだ、しっかり立つことはできないけれど、少しずつ足の力もついてきている感じです。

尻尾や翼の羽も伸びてきていますね。

可愛いけれど、自然に戻すことを考えて名前はつけず、「チビちゃん」と呼んでいました。

続きは、次の記事で書いていきます。

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