野良の黒猫で「ペロミ」と呼んでいた猫が、先日うちの玄関で息を引き取り、八事霊園でお見送りしてきました。
ペット火葬もやっているので、名古屋の人は八事霊園に行く方も多いです。
夕方から風も強くなり、かなり寒くなった日でした。
(玄関の下駄箱に飛び乗っていたペロちゃん・11月)
いつもペロッと舌を出している事が多かったので、「ペロミ」とか、「ペロちゃん」と呼んでいたんです。
口内炎も繰り返していたので、舌を出していたのはそのせいかもしれません。
鼻風邪や目の汚れもなく、口内炎だけが痛そうな事が何度もあり、猫エイズかもわからなかったんですが・・・。
(今年の夏頃のペロちゃん)
この子は結構長くからいた野良で、この子が一番の古株です。
おっとりした子なので、自分からケンカする事もほとんどありません。
これまでの冬も、雪の積もった日も乗り越えて今まで生きてきた子で、今年もまた冬を乗り越えられると思っていたんですが・・・。
でも、最近徐々に痩せてきて、体の毛も所々はげてきて。
さかりが来ているのも見たことがないし、高齢なのかなとも思ったり、その割に高い塀などにも身軽に飛び乗っていたんですよね。
(10月終わり頃のペロちゃん、痩せてる)
今まで出会った野良猫は、いつの間にか来なくなって、どこか違う場所に移動したのか、病気や交通事故にでも遭ったのか、わからないままという事がほとんどでした。
でも、ペロちゃんは最後にうちに来てくれたんです。
普段、なでられるほどには慣れていなかったんですが、最近は徐々に、ごはんをあげている時に、頭や背中をなでても許してくれていました。
ペロちゃんは、うちで保護した猫「ロンちゃん」が大好きで、いつもロンちゃんが外に出ると走り寄って、体を擦り寄せようとしてたんです。
(ロンちゃんの後を追うペロちゃん・9月)
ロンちゃんはペロちゃんから逃げたりもしていましたけどね^^;
私やロンちゃんなどを見ると、高い声で「ハン」とか「ハゥン」というような独特な鳴き方で鳴いてきました。
最期は大好きなロンちゃんと同じ家にいたいと思って、うちに来てくれたのかもしれません。
お散歩から家に帰るロンちゃんと私が、マンションのドアに歩いていくと、ペロちゃんもまるでうちの子のようにトコトコと小走りでついてきて、一緒に玄関に入ろうとしたりもしていました。
その姿も可愛かったです。
そして、12月に入って寒さが厳しい日が何度かあり、最近は娘が外でペロちゃんが撫でさせてくれたけど、パタっと横に転んじゃったとか言っていたんです。
老衰なのか、病気なのか、弱ってきているかもしれないとは思っていました。
曇りで寒い日には、ペロちゃんが小刻みに揺れているのを見て、玄関で温めたウェットフードをあげたら、喜んで食べていたりもしました。
家では、これ以上の猫は飼えないと思っているので、それくらいしかしてあげる事はできなかったんですね。
うちの玄関の中では、他の猫への色々な感染リスクも考えて、ペロちゃんが靴を脱ぐ所(上がり框)には上がらないように、段ボールで仕切りをしていました。
うちの猫たちも、脱走防止ゲートを作ったので玄関には入れないようになってますが。
そして、ペロちゃんが息を引き取る前日の夕方、いつものようにごはんをもらいに来たので玄関に入れたんですが・・・。
いつもなら大好きなはずのウェットフードを全く食べようともしないで、お皿の前でじっとして、小刻みに揺れていました。
寒くて震えているのかと思って、食べようともしないので心配になり、段ボールの仕切りをはずして、
「 大丈夫? おいで 」
と言ったら、すーっと入ってきて玄関マットにの上にあがってきました。
助けを求めているようで、とりあえず、ホカロンを温めてこの玄関マットの畳んだ間に挟んであげ、それから段ボールで温かいベッドを作る事にしました。
かなり風が吹いてきて寒かったので、低体温も心配な状態。
入ってくれるかわからないので、まずは箱で作ったベッドの下に新聞やホカロン2個を入れて、フリースの布を敷いてペロちゃんの前に置いてみました。
そうしたら、すぐに箱の中に入ってくれて、そのまま力尽きたようにコロンと横になって、中で丸まりました。
動物は体調が悪くなっても限界まで隠すので、それが限界になったのかもしれません。
そして、玄関のドアの隙間テープが取れているところを貼り直して、箱の中にも隙間風が入らないようにビニールでのれんを作りました。
体や頭をなでても、目を閉じてじっとしています。
食欲もないので、とにかく今はそっと休ませてあげるしかないと思いました。
今は体力を温存して、回復に向かう可能性もあるかもしれないという希望も持ちながら。
寝る時にお水と猫トイレも玄関に置いておいたんですが、翌朝見てみると、そのまま全く箱から出たような形跡がありません。
心配で箱の中を見たら、ホカロンが少し冷めてきてたので、ペットボトルにお湯を入れてタオルでくるんだのを入れて温めました。
水分を摂らせたくてストローでぬるま湯を少し口にいれてみたんですが、飲もうとしてくれません。
お湯にウェットフードを混ぜて、においを嗅がせたり、スプーンであげようとしてもダメでした。
食欲もなくなり、水も飲めなくなったらもう・・・・・。
野良猫でも、少しでも人の愛情を感じて欲しくてペロちゃんの頭をなでていたら、私の顔を可愛い目で少しじっと見てくれていました。
そして、お昼前には、箱から体半分を出して倒れていて・・・。
息ももう、途切れ途切れになっていました。
私達が見守る中、まもなくペロちゃんは息を引き取りました・・・・。
こんな事ならもっと早く家に入れてあげれば良かった。
こんな私で、飼ってあげられなくてごめんね・・・・。
もっともっと、優しくしてあげれば良かった。
色々な後悔もわいてきます。
ロンちゃんに最後にひと目だけでも会わせてあげたかったんですが、ロンちゃんを抱っこして連れて行こうとしたら、「シャーッ」と言って、嫌がってダメでした。
「死」という事がわかっていたのでしょうか。
ペロちゃんが、最期にうちを頼ってくれて良かったです。
寂しく一匹で寒い中倒れていたら、もっと辛くなったでしょうから。
可愛くおめかししたペロちゃんです。
翌日は八事霊園がお休みだとわかったので、その日の夕方、子供たちと地下鉄で連れて行きました。
歩きでは初めて行ったので、墓地から管理事務所の受付までがかなり長い道のりに感じましたが、少しでもペロちゃんといる時間が長くなって良かった。
受付に行ってから動物用火葬炉へ。
「死亡動物保冷庫」という文字が目に入って、こんな所でしばらく保冷されるのも嫌な気がしたんですが・・・。
係の人がいて「今から焼くので、お見送りできます」との事。
「もし、つらいから見送りたくないという時は、こちらでしておきますので・・・」と言われ、よくわからなかったけれど、見送りしてあげたいと思ってお願いしました。
台の上で箱を開けて、ペロちゃんに最後のお別れをした後、「こちらに置いて下さい」と言われた台が動いてコンベアに乗せられ、火葬炉のシャッターの開いた扉に向かってカタカタと、小さな箱が進んで行きました。
そして、シャッターが閉じました・・・・。
ペロミちゃん、さようなら 来てくれてありがとう
また、いつか会おうね
子供たちと手を合わせました。
ペロちゃんは、天国に旅立っていきました。
子供たちは、小さな箱が火葬炉の中にカタカタと運ばれていく所を見ていたら、悲しくなって、また泣けてきたと言っていました。
小さくて、憎めない性格だった可愛いペロちゃん。
最後には、私達を信じて身を任せてくれたペロちゃん。
野良だと思っていたのに、いつの間にか、私達家族の心の奥深くまで住み着いてしまっていたみたいです。
うちの天国に行った猫たちの写真と一緒に、ペロちゃんの写真も飾ることにしました。
また、いつか、めぐり逢う事ができますように。